YAMAHAイノベーションロードへの見学

はじめに

2024年の8月2日に、浜松市を拠点に置くピアノメーカーであるYAMAHA社のイノベーションロードへ見学をしました。イノベーションロードはYAMAHAの企業ミュージアムであり、YAMAHA本社の近くに存在します。
見学料は、なんと無料(2024年の現在)です。

YAMAHAの歴史や技術を体験することができるだけではなく、なんと楽器の試弾もできます。
ピアノのみならず、ギターやドラムなども試弾できます。

YAMAHAイノベーションロード内部,YAMAHA社のHPより引用,2024/10/12閲覧,https://www.yamaha.com/ja/about/experience/innovation-road/

イノベーションロードへの見学は、静大ピアノサークル7月の定期イベントであるピアノメーカーへの見学に該当します。
(YAMAHAの方が解説をしてくださるガイドツアーを受講するために、日程を調整したら8月になってしまいました;;)

音楽の街・浜松市で活動するピアノサークルとして、浜松市のピアノ製造のルーツを知っておく必要があると考えているため、今回の見学は本団体のアイデンティティを見つめ直す良い機会だと思います。

見学内容と感想(抜粋)

※見学内容は全て記録をとっているわけではないため、不正確な部分も含まれている可能性があります。

見学はガイドツアーであったため、YAMAHAの方の解説を聞きながら進んでいきます。
ガイドは正面のピアノコーナーから始まるのではなく、時代と共に変化してきたYAMAHAの製造物の紹介から始まりました。

時代と共に変遷する、YAMAHAの製造物

はじめに、YAMAHAの創業者である山葉寅楠のオルガンの紹介がありました。
浜松市のピアノ製造の歴史は、オルガン修理から端を発しています。浜松市の小学校から壊れたオルガンの修理を依頼され、それを直したところから、歴史は始まったのです。
作成された楽器もYAMAHAという名前ではなく、日本楽器という名前で製造されています。そもそも社名が違ったというところが面白いですよね。
参考(YAMAHA,創業ストーリー)

日本楽器のロゴ入り写真

その後、戦時中に入り楽器製造ができなくなったことでYAMAHAは戦闘機のプロペラを作り始めたり、試験用エンジンを作り始めました。楽器メーカーがプロペラを作っていただなんて、想像ができませんが太平洋戦争という時代背景を考えると納得できますよね。
その技術の礎があったため、YAMAHA発動機が誕生したということも非常に面白いですね。オルガン修理然り、プロペラ製造然り、それらがYAMAHAという会社と繋がっていると…
参考(YAMAHA発動機,鋳造歴史物語 Vol.1 黎明)

…..見学内容を一つ一つお伝えしてしまうとガイドツアーの内容が濃すぎて、とんでもない文量になってしまうため、駆け足で紹介していきます!我々はピアノサークルなので、音楽やピアノについて重点的に紹介をします!

響板の解説を聴講中

ピアノの部品の紹介がありその中でも興味深かったのが響板です。
響板はピアノの弦の振動を増幅させるものです。これによって、ピアノの音が増幅されて音量が大きくなるのです。
一番印象的だったデモンストレーションは、響板にオルゴールを近づけてみる実演です。響板に近づけなかった場合と比べて、音が格段に大きく、非常に驚きました。
奏者として中身までは気にすることはないのですが、このような技術的な努力の結晶があり、ピアノができていると考えるとアツくなります。

ピアノの響板やフレームのコーナー

さらに、ピアノの塗装に関するコーナーもありました。
人間の目では違いがよくわかりませんが、厳しい基準をクリアした塗装だけがYAMAHAのピアノで採用されているようです。
ピアノはインテリア的な使われ方もされる場合がありますので、品質管理だけではなく商品価値の向上のためにも重要なことだと思いました。
このコーナーでは「顔を写して比べてみよう」と言われていますが、すみません。うち、結構プライバシーに配慮しているんです。

ピアノの塗装の厳しい基準

他にも、電子楽器関連のコーナーもありました。
YAMAHAが販売している電子楽器には例えば、エレクトーン(電子オルガン)があり、アコースティックだけではありません。
私はあまり、電子音楽や電子楽器には詳しくないのですがミキサーがあり、普段触れたことがないようなものに体験できるのは新鮮です。

DJやってます(Discありません)

最後はもちろん、ピアノの試弾をします!
色々なピアノの弾き比べができるなんて、浜松市最高ですね!YAMAHAのグランドピアノの最高級グレードであるCFXもあれば、ベーゼンドルファー(YAMAHAの子会社)製のピアノもあります。
もうこれは、ピアノ奏者にとっては桃源郷です。

ベーゼンドルファーの試弾

見学を終えて

ミュージアム全体に興味深いものが多く、浜松市のピアノ製造のルーツを感じれた見学でした。
その中でも、私が一番感じたことがYAMAHAが時代と機会に適応していることです。

例えば、アコースティックの楽器主流の時代に存在した、騒音問題に対応できる電子ピアノの販売や、戦時中に培った技術を利用してYAMAHA発動機を立ち上げることは、時代と機会に対応していると思います。
そのときどきの時代に合った立ち回りと、偶然手に入れた機会を利用して次に進んでいく姿勢は当団体にも応用できるのではないか?と思いました。

浜松市のピアノメーカーとして、ピアノ製造のルーツを持つYAMAHA社へ見学へ行けたことは非常に光栄です。
当団体も100年続く団体を目指していますので、時代と機会に対応した姿を真似て、積み重ねていきたいと思います。

最後に入り口で…